交通反則通告制度(青キップ)とは?反則金の仕組みと納付期限をわかりやすく解説
軽微な交通違反で切られる「青キップ」は、反則金を期限内に納めることで刑事手続きを避けられる制度です。金額の決まり方、納付期限、期限を過ぎた場合にどうなるかを整理しました。
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交通反則通告制度(青キップ)とは
比較的軽微な交通違反を起こしたとき、その場で切符を切られて終わり、刑事裁判にはならなかった——という経験がある方は少なくないはずです。これは「交通反則通告制度」、通称「青キップ」と呼ばれる仕組みによるものです。一定の軽微な違反について、決められた反則金を期限内に納付すれば、前科となる刑事手続き・裁判を経ずに済ませられます。
裏を返せば、すべての交通違反がこの制度の対象になるわけではありません。青キップを渡されたということは、少なくともその時点では、比較的軽微な違反として扱われているという意味でもあります。反則金という行政上の手続きで完結させることで、裁判所と違反者双方の負担を避けるのがこの制度の狙いです。
反則金は「違反の種類」と「車両の種類」の掛け算で決まる
反則金の額は一つではありません。警視庁が公表する反則行為の種別及び反則金一覧表は、縦に違反の種類、横に車両の種類を並べた表になっており、その交点が金額です。
まず車両の区分そのものが定義されています。警視庁の反則行為の種別及び反則金一覧表では、大型車とは、大型自動車、中型自動車、準中型自動車、大型特殊自動車、トロリーバス及び路面電車のことをいい、普通車とは、普通自動車、軽自動車(二輪車を除く)及びミニカーのことをいう。 日常語の「大型車」より広い範囲を指している点に注意が必要です。中型・準中型や路面電車まで同じ列に入ります。
実際の金額を二例だけ挙げます。速度超過のうち最も軽い区分では、同一覧表において、速度超過のうち15未満の区分の反則金額は、単位を千円として、大型車12、普通車9、二輪車7、小型特殊車6、原付車6、軽車両6とされている。 同じ違反でも、大型車と原付車では倍の開きがあります。
スマートフォンの保持違反も見ておきます。同一覧表において、携帯電話使用等(保持)違反の反則金額は、単位を千円として、大型車25、普通車18、二輪車15、小型特殊車12、原付車12、軽車両12とされている。 普通車で比べると、軽い速度超過の倍の水準です。「軽微な違反」の中でも扱いに差があることが、この二行を並べるとよく分かります。
自分の青キップの金額が妥当かを確かめたいときは、交付された書面の金額を、この一覧表の該当行と自分の車両区分の列で照らし合わせるのが確実です。一覧表は放置・駐停車に関する反則行為とそれ以外を分けて掲げており、自分の違反がどちらの表に載っているかを先に確かめると、該当行を探す手間が減ります。なお金額は改定されることがあり、参照した一覧表には更新日が明記されています。数年前に見た金額の記憶で判断せず、そのつど最新の表に当たるようにしてください。
反則金を納めても違反点数は別に記録される
見落とされがちなポイントとして、反則金を納めることと違反点数が記録されることは別の話だ、ということが挙げられます。点数制度とは、自動車等の運転者の交通違反や交通事故に一定の点数を付けて、その過去3年間の累積点数等に応じて免許の停止や取消等の処分を行う制度です。 反則金の納付は刑事手続きを避けるための手段であって、この点数の累積を止める仕組みではありません。
その累積が何点でどうなるかも公表されています。例えば、過去3年以内に行政処分を受けたことがない場合、6点から14点までは停止処分に、15点以上は取消処分に該当します。行政処分歴が1回の場合、4点から9点で停止処分、10点以上は取消処分に該当します。 注目すべきは、処分歴が一度あるだけで基準が6点から4点へ下がることです。一件ごとの青キップは軽微でも、過去に処分を受けた人ほど、次の一件が効いてきます。
「反則金さえ払えばすべて解決する」と考えるのではなく、自分の違反点数がどれだけ累積しているか、そして自分に処分歴があるかどうかを、あわせて把握しておくことが大切です。
制度の来歴——いつから、どう変わったか
点数制度は最近の仕組みではありません。点数制度は、昭和44年10月から行われています。 半世紀以上にわたって運用されてきた制度であり、その間に区分の作り方が一度大きく変わっています。平成21年6月1日の道路交通法改正により、悪質・危険な違反行為を「特定違反行為」と定め、それ以外の違反行為を「一般違反行為」としました。
この区分が効いてくるのは、点数の重さの付け方です。青キップで処理される違反はほぼすべて「一般違反行為」の側にあり、点数も一桁にとどまります。一方で「特定違反行為」に分類される行為は、一件で取消しの基準を超える水準の点数が設定されています。つまり青キップを渡されたという事実そのものが、自分の違反がどちら側にあるかの目安にもなります。
反則金一覧表の側にも、青キップの対象がどこまでかを示す手がかりがあります。たとえば信号無視は明確に対象で、警視庁の反則行為の種別及び反則金一覧表において、信号無視(赤色等)違反の反則金額は、単位を千円として、大型車12、普通車9、二輪車7、小型特殊車6、原付車6、軽車両6とされている。 前節の軽い速度超過とまったく同じ金額です。表の上では、赤信号を無視することと15キロ未満の速度超過が同じ列に並んでいる——この並びの意味を、読者それぞれがどう受け取るかは別として、事実としてはそうなっています。
この記事が扱わない範囲
この記事は、交通反則通告制度の枠組みと、反則金と違反点数がどう関係しているかという全体像を、警視庁が公表する一覧表と説明ページの記載だけで示すものです。一覧表に載るすべての違反区分の金額、納付期限とその経過後の手続き、都道府県ごとの運用の細かな違い、青キップの内容にその場で納得できなかった場合の扱い、そして「反則者」として制度を利用できる具体的な条件については、本記事の出典がそれらを述べていないため扱っていません。自転車への反則金制度の適用についても、確認できる公的情報が限られるため本記事では踏み込みません。実際に青キップを受け取った場合は、書面に記載された金額・期限・問い合わせ先を必ずご自身で確認し、疑問があれば発行元の警察やお近くの弁護士に相談することをおすすめします。