記事
青切符とは何か
色の違いは呼び名ではなく、進む制度の違いです。
色の違いは呼び名ではなく、進む制度の違いです。
二つの切符
青切符と赤切符 — 色が制度の区別そのものです
青切符
反則金
道路交通法 第百二十五条以下(交通反則通告制度)
反則者として通告を受け、期限内に納付すれば公訴は提起されません。行政上の手続きであり、前科にはなりません。
赤切符
罰金
道路交通法 第八章 罰則
刑事手続きです。金額は裁判所が法定の範囲内で決めます。反則金のように定額表から読み取ることはできません。
名前の由来
「青切符」は、法令の言葉ではありません
青切符という呼び方は、書面の色から来た通称です。法令の条文にこの語はありません。条文が定めているのは交通反則通告制度という仕組みで、その中で現場で渡される書面が、慣習的に青切符と呼ばれています。
それでもこの語には意味があります。色が違うということは、進む制度が違うということだからです。青切符は交通反則通告制度、赤切符は刑事手続き。同じ「切符を切られた」でも、その先に起きることが根本的に違います。
この記事は、青切符を受け取ったときに何が始まっているのかを、条文の順にたどります。
手続き
告知、通告、納付
最初に起きるのが告知です。現場で、反則行為をしたことを告げられます。この時点で日付が一つ動き出します。道交法129条1項の仮納付の期限は、告知を受けた日の翌日から起算して7日以内です。仮納付は義務ではありません。通告を待たずに納めることができる、という定めです。
次に起きるのが通告です。書面による通告を受けます。ここでもう一つの日付が動き出します。道交法128条1項の納付の期限は、通告を受けた日の翌日から起算して10日以内です。
二つの期限は、同じ日から数える二つの日数ではありません。それぞれ別の出来事を起点にしています。手元の書面がどちらのものかで、数え始める日が変わります。
納付が期限内に行われれば、その反則行為について公訴は提起されません。これが交通反則通告制度の中心にある仕組みです。青切符が刑事手続きと違うのは、まさにこの点です。
金額
なぜ金額が表から読めるのか
青切符の金額が定額表から読めるのは、制度がそのように作られているからです。道交法125条3項は、反則金の額を、道路交通法 別表第二 に定める金額の範囲内において、反則行為の種別に応じ政令で定めるとしています。上限を法律が定め、その範囲内で具体的な金額を政令が定める、という二段構えです。
実際の金額は 道路交通法施行令 別表第六 にあります。行為の区分ごとに、車種の区分ごとに、額が置かれています。この表があるから、事案ごとに裁判所が判断しなくても金額が決まります。
赤切符ではこの表が使えません。刑事手続きでの罰金は、法定の範囲内で裁判所が決めるものだからです。この違反については上限10万円、下限1万円という範囲だけがあり、その中のどこになるかは表からは読めません。
境目
どちらの色になるかを決めるもの
青切符になるか赤切符になるかは、二つの条件で決まります。一つめは超過速度です。一般道で30km/h以上超過以上、高速自動車国道等で40km/h以上超過以上の超過は、交通反則通告制度の対象から除かれます(道交法118条1項1号)。
二つめは、速度とは無関係の除外事由です。無免許・免許の効力停止中、酒気帯び等、その違反により交通事故を起こした場合、十六歳未満の場合(道交法125条2項)。ごく軽い超過でも、ここにあたれば青切符にはなりません。
二つの条件は別の条文にあり、互いを参照していません。「これくらいなら青切符だろう」という見積もりは、片方しか見ていないことが多いのです。
別の話
点数は、切符の色とは別に動きます
見落とされやすいのが点数です。点数は 道路交通法施行令 別表第二 が定める記録で、反則金を納めたかどうかとは独立して付きます。青切符で済んだから点数も付かない、ということはありません。
そして逆方向もあります。超過が大きく反則金の表に金額がない場合でも、点数の表は止まりません。点数は、違反が刑事手続きに進むからこそ付くものであって、軽い違反にだけ付くものではないからです。
金額の表と点数の表は、区切りも違います。速度超過では、8km/h以上超過と17km/h以上超過で反則金は9,000円と12,000円と異なるのに、基礎点数はどちらも1点です。片方から他方は読めません。
つまり、青切符を受け取ったときに確認することは、金額だけではありません。金額、点数、期限。三つとも別々の法令の別々の表に書かれています。
この制度が扱わないこと
このサイトが答えないこと、そしてその理由
以下は不足ではなく、内容です。いずれも「どの法令に何が書かれていないか」を、法令名と条文を挙げて限定的に述べたものです。
死傷事故は別の法律です
自動車運転死傷行為処罰法は、道路交通法を改正したのと同じ法律(令和八年法律第五十二号)で改正されていますが、罪と刑の定めはこの法律自身のものです。このサイトはその定めを採録していません。人の死傷を伴う事案は、この計算機の範囲外です。
- 自動車運転死傷行為処罰法 2026年7月21日施行
原文(道路交通法/ペイロードに記録された英語の原文。【 】内はこのサイトによる法令名の補足)
自動車運転死傷行為処罰法 (death/injury-by-driving offences) is vendored in the corpus and was amended by the SAME act that amended 道路交通法 on 2026-07-21 (令和八年法律第五十二号) — but its own offence/penalty structure is a SEPARATE instrument and is not transcribed into this payload.
即決裁判手続は別の法律です
交通事件即決裁判手続法は、軽微な交通事件をどう処理するかという「手続」を定めた法律です。手続法であってそれ自体に金額の定めがないため、このサイトでは扱っていません。この違反そのものの上限額と、この手続の上限額は別のものです。
- 交通事件即決裁判手続法 2026年5月21日施行
原文(道路交通法/ペイロードに記録された英語の原文。【 】内はこのサイトによる法令名の補足)
交通事件即決裁判手続法 (the summary-trial PROCEDURE for minor traffic offences) is vendored — procedural, carries no rate figure of its own, and is not modelled here.
最低速度は採録していません
【道路交通法施行令】最低速度は道路交通法施行令 第二十七条が定めています。第十一条・第十二条は「次条」「前条」としてこれに触れているだけで、その数値はこのサイトが採録した範囲に入っていません。読んだうえで採らなかった、ということです。
- 道路交通法施行令 (Cabinet Order No. 270 of 1960), 第二十七条 / 2026年5月21日施行時点
原文(道路交通法/ペイロードに記録された英語の原文。【 】内はこのサイトによる法令名の補足)
最低速度 (minimum speed, expressway mainline — 第二十七条 and neighbours, referenced in passing by 第十一条/第十二条's own cross-references) is a separate figure this fixture did not extract.
第八章のすべての条文は扱っていません
【道路交通法】道路交通法 第八章(第百十七条から第百二十二条まで)には、このサイトが反則金の限度額に結びつけた条文よりも多くの条文があります。採録したのは、別表第二 の各行が条名で名指ししている条文だけです。第百十七条・第百二十二条、および 第百十八条の二・第百十八条の三 は、限度額のどの行からも参照されていないため採録していません。
- 道路交通法 (Act No. 105 of 1960), 第八章 罰則(第百十七条―第百二十二条)/ 2026年7月21日施行時点
原文(道路交通法/ペイロードに記録された英語の原文。【 】内はこのサイトによる法令名の補足)
Chapter 8 (第百十七条~第百二十二条) has MORE articles than the eight this fixture joined to jpFinesCeiling. Only the ones 【道路交通法】別表第二's own rows reference by locator are transcribed (第百十八条, 第百十八条の二/三 excluded, 第百十九条, 第百十九条の二の四, 第百十九条の三, 第百二十条, 第百二十一条); 第百十七条 and 第百二十二条 (and 第百十八条の二/三) are not referenced by any 反則金 ceiling row and are not transcribed here.
少年事件では金額を家庭裁判所が定めます
【道路交通法】道路交通法 第百三十条の二第一項後段により、家庭裁判所の審判に付された場合の反則金の額は、同法 別表第二 に定める金額の範囲内で家庭裁判所が定めます。定額表から読み取れる数字は存在しないため、このサイトも金額を示しません。
- 道路交通法 (Act No. 105 of 1960), 第百三十条の二第一項後段 / 2026年7月21日施行時点
原文(道路交通法/ペイロードに記録された英語の原文。【 】内はこのサイトによる法令名の補足)
第百三十条の二第一項後段: when a juvenile's case reaches a family-court hearing, the court MAY order 反則金 payment on its own schedule, and the AMOUNT is then set by the family court itself — "その反則金の額は、第百二十五条第三項の規定にかかわらず、【道路交通法】別表第二に定める金額の範囲内において家庭裁判所が定める額とする" — within 【道路交通法】別表第二's ceiling, but not read off any fixed schedule figure this fixture can transcribe as a number.
減軽された場合の下限は示していません
【刑法】刑法 第十五条には、減軽する場合には下限を下回ることができるというただし書があります。このサイトは減軽されない場合の下限だけを示し、減軽の当否は扱いません。
- 刑法 第十五条ただし書
高速自動車国道の本線車道の法定速度は扱いません
【道路交通法施行令】本線車道の法定速度は施行令 第二十七条が定めており、このサイトは採録していません。一般道の数値を流用することはしません。高速道路の事案では、標識の速度を入力してください。
- 道路交通法施行令 第二十七条
呼気アルコール濃度の判定は行いません
このサイトの計算機は、アルコール濃度による区分を扱いません。判定に使える検証済みの数値表を持っていないためです。数値を出さないことが、ここでは正確さです。
- 本サイトのペイロード(未採録)
免許の停止・取消しの予測はしません
【道路交通法施行令】累積点数による処分は 道路交通法施行令 別表第三 と 道路交通法 第百三条 が定めています。読んではいますが、このサイトでは計算していません。「免許はどうなるか」を答える計算機は置いていません。
- 道路交通法施行令 別表第三 / 道路交通法 第百三条
外国免許・短期滞在者向けの規定は扱いません
このサイトが読んだ資料には、外国免許や国境を越える運転者に固有の規定は含まれていません。英語版も同じ内容の翻訳であり、それ以上の主張はしません。
- 本サイトのペイロード(未採録)
どこで支払えるかは書いていません
【道路交通法】法令から採れるのは期限と分割不可の定めまでです。窓口や取扱時間は採録していないため、書きません。実際の納付場所は、お手元の書面の記載に従ってください。
- 道路交通法 第百二十八条/第百二十九条、施行令 第五十一条第四項